4G高速データ通信の本命となるか?1Gbpsを実現するLTE-Advancedとは?
携帯電話の高速データ通信の世界では、3.5G規格であるW-CDMAの高速規格「HSPA(HSDPA/HSUPA)」が主流だ。このスループットを上回る次世代規格「LTE」の準備が着々と進む中、新たに4Gの最有力候補として浮上しているのが超高速通信規格「LTE-Advanced」だ。今回は、この規格にフォーカスし、4Gに向けた高速データ通信の将来像を見ていくことにしよう。
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(09/04/15)
http://www.sbbit.jp/article/11423/
執筆:池田 冬彦
3.5Gから3.9Gモバイル通信へ
現在、社外で場所を選ばずインターネットに接続する手段はPHSデータ通信か、携帯電話網のデータ通信しかない。日本の携帯電話の世界では、iモードやEZWebといった携帯電話向けのサービスが進み、このサービスを快適に使うためのインフラを主眼に、NTTドコモ、ボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)の「W-CDMA」および、auの「cdma2000」という3Gデータ通信が普及していた。
これらの規格は「IMT-2000」という規格上に規定されたものであり、W-CDMAにおいては上り最大5.7Mbps/下り最大14.4MbpsのHSPA(HSPDA/HSPA)という3.5G規格が実用化され、現在のデータ通信の主流となっている。イー・モバイル、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルはPC用のデータ通信モデムを揃え、月額料金は1000円から(イー・モバイルのスーパーライトデータプランの場合)とリーズナブルなサービスを展開している。
このHSPAの普及により、モバイル通信がようやく現実的なものになったと言えるだろう。また、PCに限らず、iPhone 3Gやブラックベリーといったスマートフォン、UMPC(ネットブック)などの高速通信経路として大きな展開を見せ、2008年はスマートフォン元年などとも呼ばれた。
また、この規格の後継として、LTE(Long Term Evolution)、UMB(Ultra Mobile Broadband)という2つの3.9Gの規格が既に標準化され、このうち、エリクソンやノキアなどの大手ベンダがLTEを推進し、日本ではNTTドコモが「Super3G」という名称で2009年以降のサービスインを目指している(詳細はLTEについて述べた回を参照のこと)。NTTドコモは市街地でのLTEの実証実験に着手しており、下り120Mbpsの伝送実験に成功している。
主要な携帯電話データ通信の規格
世代 規格名称 採用事業者(予定も含む) 最大速度(下り) 最大速度(上り)
3.5G EV-DO Rev.A KDDI 3.2Mbps 1.8Mbps
3.5G HSPA(HSDPA/HSUPA) NTTドコモ、イーモバイル、ソフトバンクモバイル 14Mbps 5.7Mbps
3.9G UMB 未定 288Mbps 75Mbps
3.9G LTE NTTドコモ、イーモバイル、ソフトバンクモバイル、KDDI 326.4Mbps 86.4Mbps
3.9G IEEE 802.16e(モバイルWiMAX) UQコミュニケーションズ、地域WiMAX事業者 75Mbps 75Mbps
4G IEEE 802.16m(次世代WiMAX) 未定 2Mbps01Gbps 2Mbps01Gbps
4G Advanced-LTE 未定 1Gbps(目標) 1Gbps(目標)
現状、ベンダーや通信キャリアの動向を見る限りでは、LTEが3.9Gのメインストリームとして展開する可能性は極めて高い。LTEのサービス開始時期は確定していないが、早ければ2010年後半~2011年頃にサービスが開始される可能性もある。HSPAよりも桁違いに高速な通信を享受でき、モバイルブロードバンドがさらに加速するという期待がある。
図1 LTEの実証実験(イメージ)
NTTドコモと富士通、富士通研究所は総務省が2008年に創設した札幌市内のユビキタス特区においてLTEの実証実験を実施。MIMO(4×4)の多重伝送によって、下り最大120Mbpsの高速伝送を実現した(実験設備では既に2.5Gbpsの伝送実験に成功済み)。
図2 W-CDMA技術技術の推移
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