JR東日本,65型縦置き液晶ディスプレイ10台を使った静止画デジタル・ポスターを東京駅で実験開始
東日本旅客鉄道(JR東日本)とジェイアール東日本企画(JR東日本企画)は共同で,65型縦置き液晶ディスプレイ10台を使った静止画デジタル・ポスターの実験を東京駅で開始した。7月14日~9月30日が実験期間である。「JR東日本企画にとって,今年一番の話題」(同社総務局広報部長の中村芳明氏)と意気込む。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080714/154792/
静止画での広告効果を実験
デジタル・ポスターの設置場所は,東京駅八重洲南口1階改札内コンコースで,JR東海新幹線改札口前の京葉線との連絡通路の途中にある。もともと設置されていた太さ約150cmの円柱状の柱のうち5本に角柱状の枠を取り付け,人の流れに向かう2面に65型液晶ディスプレイを取り付けた。使用枚数は合計10枚である。使用したパネルは,シャープの65型業務用液晶インフォメーション・ディスプレイ「PN655R」,画素数は1920×1080である。
今回のデジタル・サイネージの実験では,大型液晶パネルを使った静止画像の広告ポスターを,比較的通行量の多い通路内で表示しての広告効果を評価する。実験期間の広告クライアントは6社で,1分ごとに画面を切り替える(14日の報道公開では15秒に1回切り替え)。表示時間はほぼ初電から終電までの5時~24時である。画面切り替え時の若干の効果はあるが,今回の実験では動画の配信はない。また,音声もない。
無線でデータを配信
表示データや表示スケジュールのデータは,無線で送信する。まず広告配信センターから1本の柱内に設置したPCに高速通信方式HSDPA(high speed downlink packet access)でデータが送信される。次に無線LANのIEEE 802.11gで他の柱内のSTB(セット・トップ・ボックス)にデータが転送される。各STBにはデータを蓄積してそれぞれ2台の液晶ディスプレイにプログラム通りに表示が行われる。データの更新のタイミングと,状態監視情報の伝送以外は,無線による通信はない。
さまざまなサイネージを実験
JR東日本企画はこれまでさまざまなデジタル・サイネージの実験をしてきた。電子ペーパーによる情報発信では,2008年2月に恵比寿駅改札で実験している(Tech-On!関連記事)。また,今回と同じ65型液晶パネルを使った動画によるデジタル・サイネージ(横置き)は,2007年に渋谷駅と新宿駅に設置し,現在も稼働しているとする。「さまざまなサイネージを試しており,今回は大型液晶パネルによる静止画広告を試した」(同社交通媒体局媒体開発部部長の山本孝氏)とする。
今回設置したのは,天井高が比較的低くて通行量が多い通路である。「9月以降に引き続き運用する可能性は五分五分。JR東日本と話し合って取り付ける柱を変えるなどの変更はあるが続けたい」(同氏)とする。ディスプレイ本体の定格消費電力は560Wだが,通常のフィルム型ポスターよりも明るく見えるため,「バックライトの明るさを多少減光して使っている」(同氏)とした。また,今回採用した液晶ディスプレイは厚さが15cmあり,既存の直径150cmの円柱形の柱に取り付けるために合計30cm増えることになった。「業務用でも薄型のディスプレイ開発をメーカーにがんばってほしい」(同氏)とした。
東京駅八重洲南口改札内コンコースの「デジタルポスター」
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