Google専用も視野に、Xen専用シンクライアント端末で需要を喚起
米ワイズテクノロジー
CMO(最高マーケティング責任者)
ジェフ・マクノート氏
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写真●米ワイズテクノロジーCMO(最高マーケティング責任者)のジェフ・マクノート氏
[画像のクリックで拡大表示] 2008年5月、米ワイズテクノロジーは米シトリックス・システムズの仮想デスクトップ型シンクライアント「XenDesktop」専用の端末「Viance」を出荷した。電源を入れて約5秒でXenDesktopのサーバーにアクセスできるといった機能が特徴だ。日本でのVianceの出荷を7月下旬に控え、来日したワイズテクノロジーCMO(最高マーケティング責任者)のマクノート氏にXenDesktop専用シンクライアント端末について聞いた。(聞き手は安井功=日経コンピュータ)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Interview/20080626/309563/?ST=system
米国で仮想デスクトップ型シンクライアントが注目されている理由は。
ここ最近の最も大きなきっかけは、米シトリックス・システムズが仮想デスクトップ製品「XenDesktop」を5月に出荷したことだ。仮想デスクトップの導入を検討するユーザーにとって選択肢が広がったといえる。
米国ではこれまでも、セキュリティやTCO(総所有コスト)削減といった観点からシンクライアントに対する関心は高かった。例えば、シトリックスが提供しているXenApp(旧Citrix Presentation Server)といった画面転送型シンクライアントを導入する企業は多い。
ただ画面転送型の場合、従来使っていたアプリケーションすべてが使えるわけではなく動作の検証が必要だ。サーバーで起動したアプリケーションを複数のユーザーで共有するので、異なる複数のユーザーが同時にアクセスできない製品は利用できない。そのため、コールセンター業務のように限定的なアプリケーションを使用する、いわゆるタスクワーカー向けに導入するケースが主流だった。
状況が変わり始めたのは、米ヴイエムウェアが仮想デスクトップ製品「VMware Virtual Desktop Infrastructure(VDI)」を発表してから。仮想デスクトップ型は画面転送型を拡張したようなもので、ユーザー別にアプリケーションやデータ、OSを管理できるのが特徴だ。当社もヴイエムウェアと協力して、シンクライアント端末の提供や仮想デスクトップ向けの拡張技術などを開発してきた。
仮想デスクトップの利点は、サーバー上に作成した仮想マシンでOSを起動するため、動作の見掛け上は通常のパソコンと変わらないこと。これまで画面転送型では動かなかったアプリケーションも利用できるため、様々なアプリケーションを利用するナレッジワーカー(知的労働者)でも利用できるシンクライアントとして注目を集めた。環境問題をきっかけとしたグリーンIT対策としても注目されている。
そこで当社は仮想デスクトップをもっと便利に使えるように、シトリックスと協力しXenDesktop専用のシンクライアント端末「Viance」を開発した。電源投入から5秒でサーバーにアクセスできる機能や、最新のファームウエアを端末自身がサーバーで確認し自動的に更新する機能などを盛り込んだ。デスクトップ型とノート型の2タイプを用意し、需要を喚起する方針だ。
ノート型のシンクライアント端末を提供するベンダーが増えているようだが、Vianceでノート型を用意した理由は何か。
ノート型パソコンというと、旅行先や飛行機の中など、どこでもパソコンを使用し仕事をする、いわゆるヘビーユーザー層を思い浮かべるかもしれない。確かに、ノート型のシンクライアント端末の場合、ネットワーク環境が大きく影響するため、ヘビーユーザーには向かないだろう。どこでもパソコンを使えることを望むのであれば、通常のパソコンを使うほうがよいと考えている。
我々がターゲットとするのは、社内でパソコンを持ち歩いて使用する、いわゆる「キャンパスモバイルユーザー」だ。当社の調査によると米国企業の場合、業務中の約30%は社内にいるものの自席を離れているケースが多いことがわかった。会議室や別の部屋で打ち合わせをするといった具合だ。これらのユーザーが求めるのは「社内のどこからでも、自分のパソコンを同じ環境で使いたい」というものだった。自席でも、会議室でも、自宅でも、ネットワークに接続できる環境下であれば同じパソコンを使えることが重要だ。
ノートパソコンを使えば、これらのニーズを満たせると思えるが、盗難や紛失、故障といった課題がついて回る。ノート型のシンクライアント端末であれば解決可能だ。タクシーの中に忘れてきたり、落して壊してしまったりしても大丈夫だ。他の端末に交換すればすぐに同じパソコンとして使える。自宅に置き忘れた場合も、社内でほかの人の端末を使えば自分のパソコンとして通常の業務が可能になる。
今後XenDesktop向け以外の専用シンクライアント端末は予定しているのか。
米グーグルが提唱するクラウドコンピューティング向けに専用で設計することはありえる。例えば、基本的なOSとWebブラウザだけを搭載したようなシンクライアント端末だ。我々は2年ほど前からグーグルと共同でクラウドコンピューティングの可能性を調査してきた。一般コンシューマ向けのシンクライアント端末として、クラウドコンピューティング専用の端末というものは十分考えられる。今後も引き続き注力する方針だ。
ただ、クラウドコンピューティング専用の端末を設計する場合、ネットワークの問題が一番のネックとなる。米国では無線で接続するようなネットワークの問題は深刻で、とてもクラウドコンピューティングに使えるものではない。2、3年後には問題も解消し、クラウドコンピューティング専用の端末が登場するかもしれないが、現状ではすぐに製品を発表するという段階にない。
(安井 功=日経コンピュータ) [2008/06/30]
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