エリクソンがLTE試作機「Berta」のデモを公開! =2009年には、商用LTE端末(100Mbps)を投入へ=
3G、3.5Gなどワイヤレス・ブロードバンドの国際的な先進企業であるエリクソンは、去る2008年4月17日、東京・新宿のパークハイアット東京にて、3G(W-CDMA)、3.5G(HSPA)の次世代の3.9世代(スーパー3G)といわれる、LTE(Long Term Evolution、3Gの長期解)試作機とCMS(Converged Multimedia Services)のデモを行い、注目を集めた。このデモは、2008年2月にスペインのバルセロナで開催された世界最大級の移動体通信関連の総合イベントである『Mobile World Congress 2008』(旧3GSM World Congress)で、発表したデモ内容を東京で再現し披露したもの。
さらに、デモ会場では、LTE用の新モバイル・プラットフォーム「M700」に対応した商用のLTE端末(100Mbps)を2009年に投入すると発表、LTEの実用化が間近なことをアピールした。
http://wbb.forum.impressrd.jp/news/20080502/601
エリクソンがLTE試作機「Berta」のデモを公開!
=2009年には、商用のLTE端末(100Mbps)を投入へ=
≪1≫LTEに注力した製品ラインナップを強化へ
〔1〕HSPA(3.5G)では世界のマーケット・リーダー
写真1 フレドリック・アラタロ氏
(日本エリクソン 代表取締役社長)記者会見の挨拶に立った、エリクソン北東アジア、日本エリクソン(株)代表取締役社長のフレドリック・アラタロ(Fredric Alatalo)氏(写真1)は、まず図1を示しながら、エリクソンは世界のHSPA(3.5世代、※)システムの市場において、
(1)下り(3.6Mbps)のHSPAで49%
(2)下り(7.2Mbps)のHSPAで67%
(3)上りのHSPAで74%
のシェアを獲得(導入実績)し、国際的にマーケット・リーダーになっていることをアピールした。
※ HSPA(High Speed Packet Access):HSPAとは、W-CDMA方式を高度化し、下り回線の伝送速度を高速化した「HSDPA」(High Speed Downlink Packet Access)と、同じく上り回線を高速化する「HSUPA」(High Speed Uplink Packet Access)の総称。また、HSAPを高速化したHSPA Evolution (eHSPA)も開発され、それと並行してLTEが開発されている。
図1 エリクソンの世界におけるHSPAのシェア(クリックで拡大)
続いてアラタロ氏は図2を示しながら、同社は「移動通信のインフラ・ビジネスにおいて2007年度は、4000ミリオンUSドル(約4000億円)の売り上げがある(図2左)。今後、エリクソンは、3GPPで標準化されているW-CDMA/HSPAやLTEに注力した製品ラインアップを提供し、他の競合ベンダが取り組んでいる3GPP2標準のCDMA2000やUMB(Ultra Mobile Broadband、LTEの対抗版)、あるいはIEEE 802.16標準のWiMAX系などにはフォーカスしない方針を決定した」と明言した(図2の赤枠部分)。その理由として、W-CDMA(HSPA)やLTEの市場の成長の勢いのほうが、WiMAXなどよりも速くて、大きいことを強調した。
図2 エリクソンの移動通信インフラ・ビジネスの売り上げと製品ラインナップ(クリックで拡大)
(NSN:Nokia Siemens Networks、ALU:Alcatel-Lucent)
〔2〕IPTVに重点をおいてビジネスを展開
この他、テレコム・サービス(オペレータの運用代行サービス、コンサルティング・サービス、教育など)にも注力しながら、当面最も力が入っている領域として、映像などのマルチメディア・ビジネスの分野をあげた。現在、この分野のビジネスに焦点をあてて展開しているが、すでにエリクソンは、通信事業者にその基盤となる収益管理のための課金ソリューションを提供している。また社内には、「EMP(Ericsson Mobile Platforms、エリクソン・モバイル・プラットフォーム)というモバイル端末開発用のプラットフォームを用意しており、ソニー・エリクソンやシャープをはじめ、世界の多くの3G(W-CDMA)などのハンドセット・ベンダやデバイス・メーカーにこのEMPを提供している」と語った。
このようなプラットフォームを背景に、特に「双方向でパーソナライズされたテレビである、IPTVに重点をおいてビジネスを展開していく」と述べ、「このマルチメディアの領域での企業の買収によってマルチメディア・ビジネスを成長させていく」と語った。具体的には、すでに、豊富なビデオ・コーデックやビデオ・ソリューションなどを持っているノルウェーの国際的な企業「TANDBERG」(タンバーグ)を買収(2007年)。また、ビリング(課金管理)システム関係の企業であるドイツのLHSを買収(2007年)するなど、通信ビジネス基盤を強化している。
〔3〕NTTドコモがエリクソンのLTEを選定
さらに図3を示し、日本における1992年から今日に至る16年にわたるエリクソンのビジネスを紹介。ソフトバンクやイー・モバイルなどへの3.5GのHSDPAの納入実績を紹介しながら、最近のトピックスとして、2008年2月に、エリクソンがNTTドコモから次世代のLTEのサプライヤとして選ばれたことを披露した。
図3 日本エリクソンのビジネス展開の略史(クリックで拡大)
また、日本全国で通信事業者のネットワークでは、すでに6万5000サイト以上をインストールしていることを紹介した後、図4を示し、7Mbps(7.2Mbps)のHSPAが提供されている現在から、150Mbpsが提供されるLTE(2009年~2010年)まで、当面のロードマップを示した。
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