第4のケータイキャリアが音声サービスを始動(ビデオリサーチインタラクティブコラム)
新年度です。この時期にケータイ業界も慌しくなります。進学する学生がケータイを始めて購入したり、就職する学生はこの時期に新規にキャリアを乗り換えたりします。まさに心機一転です。
http://japan.internet.com/column/atlas/20080407/1.html
その時期に合わせるように、第4の携帯電話事業者であるイー・モバイルが念願の音声サービスを3月28日に開始しました。
既にケータイ普及は1億契約を突破し普及限界にあるといわれる中、千本会長は「日本の携帯市場はまだ飽和などしていない」と意気込みを語りました。
当初、イー・モバイルは TD-SCDMA(MC)方式で携帯電話事業に参入する予定でした。2004年4月15日に実験局の予備免許、同年5月28日に本免許を取得し、フィールド実証実験も実施していたのですが、2007年3月31日に先行してデータ通信サービスを開始したのは、W-CDMA 方式でした。
考えてみれば MC 方式で開始していたら、こんなに早く音声サービスを開始できなかったでしょう。なぜなら MC 方式は日本ではどのキャリアも採用しておらず、全国カバーを全て自前で行わなければならなかったからです。
故に音声サービス開始の裏には W-CDMA 方式を採用し、HSDPA サービスに変更した経営陣の経営判断の賜物なのです。
キーワードはカバーエリアです。3月28日現在のカバーエリアは全国70%で、6月には75%に引き上げる予定だとか…。全国サービスを行う上で残りの25%がコスト、時間が物凄くかかるのです。
そこをイー・モバイルは NTT ドコモのローミングサービスでカバーしました。まさにW-CDMA方式にしなければできなかったことだと思います。
ちなみに千本会長は旧電電公社(現 NTT)出身で、旧第二電電(現 KDDI)共同創業メンバーということもあって、新規参入プレイヤーといっても NTT ドコモにとって他人ではく、交渉もしやすかったのかもしれません…。
2月末時点のイー・モバイルの契約数は約28万です。今まではデータ通信サービス中心で通信モジュール系がメインターゲットでしたが、これからはウィルコム、ソフトバンクモバイルといったキャリアとのガチンコ勝負になるでしょう。
TVCM でもソフトバンクモバイルが採用しているホワイト犬を引き合いに、メインキャラクターのサルの「ハヤハヤ君」との掛け合いを演出するなど、ソフトバンクモバイルを相当意識していることが画面から伝わってきます。
また料金プランも、電話基本料0円(データ通信基本料とセットになる)、イー・モバイル間音声通話24時間定額など、低価格路線をいくソフトバンクモバイルを意識したものとなっています。
イー・モバイルの音声サービス開始で、他キャリアがどんな刺激を受けるのか、さらなる価格競争へ突入するのか等、今後の業界動向に注目が集まります。
さてここからは総論です。ケータイの技術は3Gから3.5G(HSDPA、1xEV-DO など)へと移行が始まっています。また2009年中にはモバイル WiMAX の2社がさらに高速化したサービスを展開する予定です。
IP 化の流れは止めることはできません。音声サービスはデータ通信サービスの一部に取り込まれることになるでしょう。
イー・モバイルやソフトバンクモバイルは、すでにその時へ向けて走り出しています。その時まで、時間はそれほどないでしょう(あと5年以内?)。
キャリアはどのような姿になっているのでしょうか。
(執筆:戸口功一/株式会社メディア開発綜研)
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