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イー・モバイルの音声サービスを検証する

法林岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」、「できるポケット LISMOですぐに音楽が楽しめる本」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中。

http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/mobile_catchup/38702.html



 昨年3月31日、日本の携帯電話業界に13年ぶりの新規参入として、サービスを開始したイー・モバイル。データ通信のみのサービス提供ながら、サービス開始から10カ月で約24万人のユーザーを獲得するなど、厳しい日本のケータイ市場において、かなり健闘してきたが、いよいよ今年3月28日から音声サービスが開始されることになり、2月25日の発表会で概要が明らかにされた。

 詳しいサービス内容や料金体系については、発表会のレポート記事が掲載されているので、そちらを参照していただくとして、ここでは発表会での印象や同社のサービスをどう捉えるかといった点などについて、考えてみよう。



■ 新規参入ながら健闘が光った一年

 まず、今回の発表内容を取り上げる前に、イー・モバイルの現状について、少しおさらいをしておこう。冒頭でも触れたように、イー・モバイルは昨年3月31日、新規に割り当てられた1.7GHz帯を利用したデータ通信サービスの提供を開始し、日本のケータイ市場に参入した。HSDPA方式による最大3.6Mbpsのデータ通信サービスを定額制で提供し、端末もカード型だけでなく、Windows Mobileを採用したモバイル端末「EM・ONE」を展開するなど、新規参入事業者としてはなかなかアグレッシブにサービスを開始した。

 あれから約1年が経過したが、率直なところを言えば、イー・モバイルのサービスは国内のケータイ市場に大きな影響を与えるほど、健闘したと言えるだろう。約10カ月での24万という契約数が多いか少ないかは一概に評価できないが、定額制のモバイルブロードバンドサービスは市場でも評価され、着実に支持を拡げつつある。特に、外出時にパソコンで頻繁にデータ通信を利用するユーザーにとっては、エリアや料金プランの違いはあるものの、PHSによる定額制データ通信サービスよりも魅力的に映ったようで、筆者の周囲でもイー・モバイルのデータ通信カード(アダプタ)に乗り換えたユーザー(個人や法人)は少なくない。

 その好調ぶりに対抗するため、昨年末にはNTTドコモやauも同様のデータ通信サービスの定額制を開始して追随し、今年に入ってからはイー・モバイルの定額制サービスで最も影響を受けたウィルコムもデータ通信サービスの料金体系の見直しを発表している。エリアの問題もあるため、地域による差はあるが、モバイルユーザーを対象にしたデータ通信サービスは、にわかに活気づいてきた印象だ。

 しかし、その一方で昨年のサービス開始当初に投入されたモバイル端末「EM・ONE」は、魅力的なスペックを実現しながら、今ひとつ販売が伸び悩んでしまったようだ。その要因はいくつか挙げられるが、やはり、音声サービスという『電話』としての基本機能をサポートしない端末は、ユーザーとしてもなかなか受け入れにくかったという面もあるのかもしれない。



■ 電話基本料「0円」はありえない?


電話の基本料金を0円とアピール

 さて、そこで今年3月28日からサービスが開始されるのが音声サービスだ。イー・モバイルとしては、当初から初期段階はデータ通信サービスのみを提供し、その後、音声サービスも追加で提供する計画だったため、ある意味、スケジュール通りのサービス発表ということになる。

 まず、料金についてだが、発表会では「電話基本料が0円」ということが発表され、強くアピールされた。ケータイの基本使用料については、各社とも無料通話分を含み、月額数千円~1万数千円という料金体系が一般的だ。これに対し、無料通話分という考え方を事実上なくし、基本使用料を抑えたのが月額980円で提供されているソフトバンクのホワイトプランだ。今回のイー・モバイルの料金プラン「ケータイプラン」では、電話基本料が「月額0円」となっているため、ホワイトプランを上回るアグレッシブな料金プランを打ち出してきたと受け取ってしまいそうだが、その解釈は必ずしも正しいとは言えない。

 なぜなら、イー・モバイルの「ケータイプラン」は、音声サービスを利用するための電話基本料が0円だが、セットで提供されるデータ通信を利用するためのデータ通信料が月額1,000~4,980円となっており、これを合わせた形で請求されるからだ。つまり、電話基本料の「0円」だけで契約することはできず、データ通信料の1,000円が月々の支払いのミニマムコストとなり、実質的にはホワイトプランと同等ということになる。ただ、ホワイトプランの月額980円はそのまま、請求される基本使用料であるのに対し、イー・モバイルのケータイプランはデータ通信について、無料通信分が1,000円分、割り当てられているため、実質的な基本使用料は0円という見方もできる。もっともケータイプランのデータ通信料の「1,000円~」という金額は、2年契約が前提の料金であり、契約期間の約束がない「ケータイプラン(ベーシック)」の場合は月額2,000~5,980円が請求される。

 この料金プランを見てもわかるように、イー・モバイルは他の通信事業者と少し違うアプローチで料金体系を考えている。つまり、他の事業者は音声サービスが基本であり、それに対する基本使用料が発生し、データ通信サービスは音声サービスに付加するサービスとして提供され、別途、料金が発生するように料金体系を構成している。これに対し、イー・モバイルはまったく逆で、データ通信サービスが基本であり、音声サービスは付加サービスのような形で提供されるため、こうした料金体系となっているわけだ。

 iモードの登場以降、ケータイは非音声利用が拡大し続け、最近では音声通話をあまり利用せず、メールやコンテンツ閲覧などのデータ通信が中心というユーザーが増えたと言われている。イー・モバイルのデータ通信を軸にした料金体系は、こうした時代背景にマッチしたものという見方もできるが、それでも他社とは根本的な料金プランの考え方が異なるため、当初はユーザーがかなり戸惑うかもしれない。


 その他、実際の国内通話料については、30秒あたり18.9円、SMS送信料が1通当たり2円となっており、他社のやや安価な料金プラン(NTTドコモのタイプSに相当)に近い仕様となっている。ただし、この通話料はイー・モバイルの自社サービスエリア内から発信した場合の料金で、後述するローミング先での発信は別途、ローミング料が請求される。



定額パック24

 イー・モバイルでは「ケータイプラン」に付加する有料オプションサービスとして、「定額パック24」を提供する。定額パック24は月額980円の定額料を支払うことで、国内通話料などが割り引かれるというものだ。位置付けとしては、ソフトバンクの「Wホワイト」に近いが、内容もなかなか充実している。

 イー・モバイル同士の通話については24時間無料になり、SMS送信料も無料になるうえ、他事業者向けも携帯電話/PHS宛が30秒あたり9.45円、固定・IP電話宛が30秒あたり5.25円に設定されている。最近の各社の料金プランでは、国内宛の通話であれば、相手や時間帯、距離によって、通話料に差を付けてないが、定額パック24は少しでも通話料を抑えるためか、個別の料金を設定している。ただし、いずれもイー・モバイルの自社サービスエリア内から発信するときの料金で、ローミング先では同様にローミング時の通話料やデータ通信料が掛かる。

 ユーザーの使い方にもよるが、ケータイプランで定額パック24を組み合わせるという契約方法がもっとも標準的なものになりそうだ。メールやコンテンツサービスを利用するのであれば、「EMnet」の月額使用料315円が掛かることになる。



■ 意外に高いローミング料金


ローミングエリアを合わせ、人口カバー率は約95%に

 イー・モバイルは1.7GHz帯を利用し、全国主要都市を中心にエリアを展開している。発表会で明らかにされた情報によれば、現時点での人口カバー率は約50%で、今年6月末には約70%まで拡大する見込みだという。新規参入事業者ということもあり、エリアの展開にはなかなか難しいものがあるが、これを補うため、音声サービスの開始に合わせ、国内ローミングが開始されることも発表された。

 国内ローミングは最近、あまり耳慣れない言葉だが、デジタルツーカー(現在はソフトバンクに集約)などがサービスを提供していた時代には存在していたもので、簡単に言ってしまえば、自社のエリア外では他社の携帯電話網(ネットワーク)を利用するというサービスだ。つまり、イー・モバイルのエリア内はそのまま利用し、イー・モバイルの基地局の電波が届かないエリアではNTTドコモのネットワークに切り替えて利用できるわけだ。切り替えは自動的に行なうこともできるが、事業者のネットワークをまたいだハンドオーバーなどはできない。

 この国内ローミングサービスを利用することで、イー・モバイルのひとつのウィークポイントであるエリアを補うことができるわけだが、国内ローミングサービスの利用には申し込みが必要なうえ、利用時の料金体系もまったく別のものが適用される。しかもこの国内ローミングの料金体系が意外に高い。

 国内ローミングの月額使用料として、105円が請求されるほか、通話料が30秒22.05円、パケット通信料が1パケットあたり0.0735円、SMS送信料が1通あたり5.25円(配達通知ありは7.35円)となっており、通話料はNTTドコモの料金プランのタイプSSよりも高く、パケット通信料の単価もパケットパック10とパケットパック30の中間程度になっている。特に注意しなければならないのは、パケット通信料が定額制ではなく、従量課金になっているという点だ。


 こうした国内ローミングの料金体系はイー・モバイルの安価な料金体系から考えると、なかなか納得しにくいが、ローミングというしくみは元々、割高にできていることも関係している。ローミング先を提供する側(この場合はNTTドコモ)にしてみれば、自社でコントロールできない他社ユーザーのために帯域を確保をしなければならないため、ある程度、リスクを考慮した料金を設定しなければならない。デジタルツーカーが国内ローミングサービスを提供していた時代も料金設定が高く、ユーザーの不評を買っていた。ある業界関係者によれば、ユーザーのためには国内ローミングを提供しなければならないものの、実際にはユーザーが国内ローミングを利用することで、ローミング元の事業者(この場合はイー・モバイル)も負担が増えるため、本当はあまり積極的に利用して欲しくない側面もあるのではないかと話していた。

 ちなみに、国内ローミングを利用できるのは東芝製端末のH11Tのみで、ローミング利用時には画面上にローミングを表わす「Rm」の文字が表示される。自分がどのような地域で利用するのかにもよるが、ローミング先のネットワークに接続していることを見逃してしまい、そのままデータ通信などを利用してしまうと、膨大な国内ローミングのパケット通信料を請求されてしまう危険性もある。イー・モバイルのメリットであるコストパフォーマンスの良さを重視するのであれば、国内ローミングは保険的な位置付けのものと考え、音声通話の着信のみやデータ通信も本当に必要なときだけ、利用した方が賢明と言えそうだ。



■ 意外に難しい乗り換え

 イー・モバイルは昨年3月31日からデータ通信のサービスを提供し、今年1月末現在で、すでに24万人のユーザーを抱えている。ケータイにとって、基本サービスとも言える音声サービスがサービス開始の1年後に予定されていたため、おそらく音声サービス開始時にはデータ通信サービスの契約からの移行を促すような施策が提供されるだろうと予想していたが、残念ながら、その予想は外れてしまった。

 今回、イー・モバイルが既存のユーザーに対して提供するプランは、既存ユーザーを含むデータ通信サービスを契約するユーザー向けに「ケータイプランデータセット」というセット割引サービスを提供する。つまり、すでにデータ通信サービスを利用しているユーザーが追加でイー・モバイルの音声サービスの回線契約(と言ってもデータ通信もできるのだが……)を加えることで、ケータイプランのデータ通信料が月額0円~3,980円になるというものだ。通常のケータイプランと比べ、1,000円分が割り引かれるわけだ。

 一見、お得そうなプランだが、現実的な利用を考えると、今ひとつ魅力が感じられない。ユーザーの利用スタイルにもよるが、今回提供される音声サービス対応端末はいずれもUSBケーブルやBluetoothによるデータ通信が利用できるため、既存のデータ通信サービスのユーザーはデータ通信の利用もそちらに切り替えることが考えられるからだ。仮に、両方の契約を併用し続けたとしてもパケット通信料は、個別に計算されてしまい、あまり効率が良くない。割引額が1,000円に限られていることを考えると、場合によっては契約解除料を払ってでも既存のデータ通信の契約を解約し、ケータイプランでデータ通信を利用した方が結果的には割安になるかもしれない。

 これはイー・モバイルがサービスを開始して以来、常々、感じていたことなのだが、同社には既存の携帯電話事業者で一般的に提供されている「機種変更」や「買い増し」といった施策について、あまり積極的ではないようだ。データ通信のみに限れば、それほど端末の交換や変更はそれほど重要ではないかもしれないが、音声サービスを展開し、一般ユーザーにも需要を拡大していくことを考えると、もう少し何らかの施策が必要ではないだろうか。すでに同社のデータ通信サービスを契約し、利用しているユーザーは、同社のエリアやパフォーマンスの良さをある程度、理解しているわけで、こうしたユーザーを大事にしていかなければ、後発の新規参入事業者が日本の市場において、勝ち抜いて行くことはなかなか難しいように考えられる。



■ スタンダードな端末ラインナップ


S11HT

 最後に、端末についても少し触れておこう。イー・モバイルの音声端末については、昨年のサービス開始以来、どのメーカーが開発するのかが業界内でも注目を集めていたが、最終的には、HTC製のスマートフォン「S11HT」、東芝製の音声端末「H11T」がラインナップされることになった。データ通信サービスを活かすスマートフォンと一般的なデザインの音声端末というスタンダードの端末ラインナップと言えるだろう。

 まず、S11HTは既報の通り、HTCが「TyTN II」として販売しているモデルをベースとしている。ただし、無線部分については、イー・モバイルの仕様に合わせるため、3G(W-CDMA/HSDPA)は1.7GHz帯のみの対応となっている。GSMについては、850MHz/900MHz/1.8GHz/1.9GHzに対応するが、イー・モバイルは今のところ、国際ローミングサービスを提供していないため、GSMサービスを提供する事業者のUSIMカードを挿さなければ、利用することができない。ちなみに、S11HTはいわゆるSIMロックが掛けられていないが、本来のTyTN IIは2.1GHz帯(国内では「2GHz帯」と表記)の3Gに対応しており、これをイー・モバイルの1.7GHz帯のみが動作する仕様に変更しているため、実質的にはネットワークのレベルでのロックが掛けられていることになる。NTTドコモとソフトバンクという国内の事業者のUSIMカードを利用できないようにしたのは当然の措置だが、結果的に海外の3Gサービスも事実上、利用できなくなってしまった(1.7GHz帯を利用した3Gサービスは海外で未提供)点は、ヘビーなモバイルユーザーにとって、残念なところだろう。

 端末そのものについては、スマートフォンとしてはコンパクトな部類に入る。同じHTC社製のスマートフォンとしては、ソフトバンクのX01HTがデザイン的に似ているが、X01HTよりもひと回り小さく、持ちやすい印象だ。QWERTY配列のキーボードをスライドさせたとき、ディスプレイを起こせる構造などもユニークだ。イー・モバイルの国内ローミングには対応していないため、イー・モバイルのネットワーク内でしか利用できないが、前述のように、無意識に国内ローミングを利用して、パケット通信料がかさんでしまう心配もないため、安心して利用できるとも言える。IEEE801.11b/g対応の無線LAN、Bluetooth 2.0+EDRも搭載しており、モバイルユーザーにとってはなかなか魅力的な端末と言えそうだ。



H11T

 一方、H11Tは二軸回転式のボディを採用した端末だ。ワンセグ、GPS対応、HSDPA、2.8インチフルワイドQVGA液晶などのスペックからもわかるように、仕様としてはソフトバンク向けに供給されている912Tに似たモデルであり、イー・モバイルの1.7GHz帯への対応に加え、2.1GHz帯を利用した国内ローミングにも対応した形となっている。実際に動作する端末も試用したが、メールやメニュー画面などのソフトウェアもほぼ同じ仕様となっている。ただ、東芝製端末に搭載されることが多いキャラクターなどのエンターテインメントコンテンツはない。ボタン部は各ボタンの中央部分が盛り上がった形状を採用しており、文字入力などもしやすい。ただ、開発中のモデルだったことも関係しているかもしれないが、全体的にやや動作で引っかかるような印象も少し残った。実は、筆者自身は個人的にも912Tを使っていたことがあるが、正直なところを言えば、ボタン部などのデザインこそ、違うものの、使用感はほぼ同じという感想を持った。


 会見では「これはまだ最初の小出しに過ぎない」といった発言も聞かれたが、実際の端末ラインナップの展開については、他社のような派手な展開があまり期待できそうにないと見ている。実は、昨年来、イー・モバイルの音声端末をどこが手掛けるのかが業界内で注目を集めていたとき、噂レベルではあるものの、国内メーカーはなかなか開発に積極的に動かなかったという話をよく耳にした。理由はイー・モバイルが1.7GHz帯を利用するという仕様の違いも挙げられたが、それ以上に、同社が新規参入事業者で、他事業者に比べると、まだマーケットが小さいため、参入しにくいという声が聞かれた。メーカーにしてみれば、他事業者に供給すれば、少なくとも20~30万台以上は売れることが見込めるため、ある程度の開発コストを掛けられるが、イー・モバイルはデータ通信ユーザー全体で1月末現在、約24万しかなく、音声サービス対応端末の販売台数も当初は多くても10万台前後にとどまると見られるため、コストを掛けて、参入することは難しいと考えたようだ。イー・モバイルの千本会長が「国内のメーカーはグローバルで通用しない端末ばかりを作っていて……」といった主旨の発言をしているのは、おそらく、こうした国内メーカーの姿勢に直面したことの裏返しなのだろう。

 ちなみに、会見の質疑応答では、おサイフケータイ(FeliCa)などの機能を搭載することについて、「世界に通用しない機能だからいらない」と強く否定するコメントがあった。しかし、FeliCaはケータイではないものの、香港をはじめ、海外でも採用されており、FeliCaを発展させた非接触ICカード規格の「NFC」は、Nokiaをはじめとする海外メーカーも対応端末を開発している。イー・モバイルとしての姿勢がどうなのかはわからないが、世界的に見てもケータイが単なる音声通話の道具ではなく、もっとも身近なデジタルツールとして、活用されるように進化し続けている現状を考えれば、「FeliCaは世界で使われないから要らない」といった発言はあまり適切ではなかったように受け取れる。

 また、イー・モバイルでは3月から音声サービスを開始するが、量販店を中心とした販売ルートは変えない方向で考えているという。しかし、データ通信サービスと違い、音声サービスはより幅広いユーザー層が対象となるため、サポート体制が非常に重要になってくる。こうしたユーザーのサポートを販売店任せ、あるいは電話によるカスタマーセンター任せにするというのは、正直なところ、かなり不安が残る。よくわかっているユーザーなら、情報を収集し、きちんと見極め、メリットを享受できる使い方ができるだろうが、目先の「電話基本料0円」「定額制」といった文言に釣られ、国内ローミングサービス先で大量のパケット通信を使ってしまうようなユーザーが出てこないとも限らない。そういった事態を避けるためにもイー・モバイルは、ユーザーへのサポート体制を充実させなければならない時期に来ているのではないだろうか。


 いろいろと厳しい意見も述べたが、やはり、この1年間、モバイルブロードバンドの普及に大きく貢献し、期待ができるからこそ、気になる部分を指摘したつもりだ。実際の商品が登場するのは3月28日以降ということになるが、イー・モバイルのサービスエリアだけでなく、販売施策やサポート体制なども含め、じっくりと検討を重ねた上で、契約や購入を考えることをおすすめしたい。



■ URL

  イー・モバイル

  http://emobile.jp/

■ 関連記事

・ イー・モバイル、音声通話サービスを3月28日開始

・ イー・モバイル千本氏、「ありえない」サービスをアピール


(法林岳之)

2008/02/26 18:38

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