シャープ松本氏、携帯のポイントは「軽薄長大」
5月16日から3日間に渡って開催されている「組込みシステム開発技術展」の中日、17日の特別講演では、シャープの代表取締役 副社長の松本雅史氏が登壇した。同氏は、「シャープが目指すモノづくりと通信技術動向~組込み技術への期待~」と題して、製品への取り組みを語った。
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/event/34525.html
松本氏は、シャープの商品事業担当および情報通信事業統括として、シャープの携帯電話を統率してきた人物だ。まず同氏は、シャープを創業した早川徳次氏の頃から一貫して「世にないものを創出する」という姿勢で製品化を行なってきた経緯を語った。シャープは今年4月、4代目の町田勝彦氏(現会長)から片山幹雄氏に代表取締役社長の座をバトンタッチしたばかり。町田氏はこれまで、「オンリーワン商品」をスローガンに、AQUOSなどの液晶ディスプレイや携帯電話事業などを展開し、現在成功例として語られることの多いシャープの製造業を牽引してきた。松本氏は、5代目社長の片山氏とともに、「オンリーワン商品」に続くスローガンを検討していると話し、「どういうスローガンになるか楽しみにしてほしい」と語った。
次いで、松本氏は2つのモノづくりへのこだわりとして、「産業化へのこだわり」と「生産へのこだわり」を示した。製品を世に送り出すための段階を「研究」「開発」「事業化」「産業化」の4つに分け、研究と開発の間には「魔の川」、開発と事業化の間には「死の谷」、事業化と産業化には「ダーウィンの海」があり、それぞれの乗り越えてなければならない壁と説明した。
またシャープでは、「生産へのこだわり」として、部材やインフラが整った成熟した商品や今後技術進化が見込めない商品をコストの安い海外の拠点で生産し、逆に、最先端の技術や今後も技術革新が期待できる商品は国内で展開しているという。この中でモバイル系の拠点は国内の3つの拠点で製造されている。携帯電話は広島県の東広島市、Zaurusやイー・モバイルの「EM・ONE」などのPDAタイプは奈良県の大和郡山市、そして、モバイルASV液晶などを製造しているのが三重県の多気町となっている。
シャープの「モノづくり」の歴史 研究から産業化までには数々の困難があるという
シャープの情報通信関連商品 最新機種
松本氏は、シャープの携帯電話事業の取り組みを紹介する中で、現在、NTTドコモ、au、ソフトバンクに対して製品を提供していると説明。2006年には国内シェアでトップに立ったとした。携帯事業が成功した要因について松本氏は、ユーザーにニーズに合った商品を他社に先行して提供できている点を挙げた。特に、AQUOSケータイのブランド名で3キャリアに展開しているワンセグ対応の携帯電話はユーザーから好評を得ているとした。
こうした商品展開が可能な背景には、シャープが各事業を子会社化せずに事業部制をとっている点があるという。松本氏は、モジュールやAV、通信、情報が部門を超えてそれぞれ縦横に連携、融合できるため、特色のある製品を送り出せるとし、その例としてカメラ付き携帯電話やワンセグ対応携帯電話、「EM・ONE」のような情報通信端末などを紹介した。
また、人類の進化と携帯電話の進化を重ね合わせて説明し、人類が会話から始まり、文字や図書館、カメラや映画、テレビを生み出したように、携帯電話は電話からメール、Web、画像や映像と短期間に進化しているとした。今後、おサイフケータイだけでなく、健康管理機能などが加わっていくことで、「携帯電話はモバイルライフツールになる」(松本氏)と語った。
松本氏は講演の最後に、講演に訪れた部材開発製造メーカーに対して、携帯電話に組み込むためのポイントとして、「軽薄長大」が重要と説明。つまり、携帯電話への搭載には、軽くて薄くて、長時間(低消費電力)で大画面がポイントになるという。同氏は、携帯電話の今後のさらなる進化には「皆さんからの提案が必要だ」と述べて講演を締めくくった。
2006年には国内シェアトップに 携帯事業の歴史
横の展開 縦(モジュール)と横(商品)の展開
AV事業の「AQUOS」と携帯事業の横軸の連携 オンリーワンへの挑戦
人類の進化と携帯の進化 今後の展開
インフラとサービスが並行して展開される キーワードは「軽薄長大」
■ URL
シャープ
組込みシステム開発技術展
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(津田 啓夢)
2007/05/17 18:21
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