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WiMAXの未来はどうなるか、インテルが講演

インテルは次世代無線ブロードバンドで注目されるWiMAXの動向について紹介した。2008年と目される商用化に向けた製品ロードマップやWiMAX以降の動向も明らかにしている。

2007年04月10日 16時03分 更新

 インテルはこのほど、WiMAXの最新動向と同社の取り組みを紹介する説明会を東京都内で開催した。

DSCF0310.jpg 宗像義恵事業開発本部長

 冒頭、事業開発本部の宗像義恵本部長は「世界には現在、約10億人のPC利用者がいる。WiMAXは、さらに10億人の新しいPCユーザーを創造する技術として世界各国の政府が注目しており、インテルも人材育成も含めた支援を展開していく」と挨拶した。

DSCF0318.jpg Intel World Aheadの重点化分野

 同社では、このようなビジョンに基づいて「Intel World Ahead」プロジェクトを展開する。「アクセシビリティ」「コネクティビティ」「教育」「コンテンツ」の4分野でコンピューティング環境の普及に向けた活動を行う。医療分野のWiFiソリューションや先進国以外の国々を対象に教育現場へPCを提供するプログラムなどが代表例だ。

WiMAXの真髄はモバイル

 WiMAXは、正式には「IEEE 802.16」と呼ばれる規格だが、利用形態によって固定アクセスの「WiMAX(802.16-2004)」とモバイルアクセスの「モバイルWiMAX(802.16e)」の2種類に大別される。

DSCF0338.jpg 規格化されているWiMAXの想定利用シーン

 固定アクセスのWiMAXは、有線の敷設が難しい地方や山間地域でのバックボーン回線とクライアントをつなぐといった利用シーンが想定される。一方、モバイルWiMAXは携帯電話と同様に移動しながらの通信利用が対象だ。

DSCF0311.jpg 庄納崇シニアリサーチャー

 研究開発本部の庄納崇シニアリサーチャーは、「モバイルWiMAXは、無線ブロードバンドという位置付けで商用サービスの本命。だが採算的に都市部での利用に限定される可能性もあり、携帯電話やWiFiと相互補完する商用サービスが現実的だろう」と話す。

 WiMAXの技術検討や標準化、機器間の相互接続認証といった活動は、「WiMAXフォーラム」と「IEEE802.16ワーキンググループ(WG)」で行われている。WiMAXフォーラムは、2004年の設立当初の参加企業数が46社だったが、現在では437社に拡大。全体の3割以上を実際にサービスを提供する計画を持つプロバイダーが占め、「商用化を控えた関心の高まりが伺える」(庄納氏)という。

WiMAXの大容量通信

 固定WiMAXとモバイルWiMAXの大きな違いの1つが電波の変調方式だ。固定WiMAXではOFDMが規定されるが、モバイルWiMAXはOFDMをベースに周波数利用効率を高めた「OFDMA」が規定されている。

 モバイルWiMAXは、OFDMAと通信を多重化して高速転送を実現する「MIMO」(Multi Input/Multi Output)を組み合わせることで、通信速度を高めることができる。

DSCF0355.jpg 3.5世代携帯電話とWiMAXの入出力方式別によるスループットの比較

 日本では、NTTドコモやソフトバンクモバイル、イー・モバイルが提供するHSDPAなどの「3.5世代携帯電話」サービスに比べ、約3倍の伝送速度と電波周波数効率を得られるという。


ケータイとの融合

 すでに次世代モバイルWiMAXの規格化も進んでいる。現在の802.16eは、固定WiMAXの規格をモバイル用途に拡張された。次世代規格は「802.16j」「802.16m」と呼ばれ、16jは2006年第2四半期から規格化作業が始まっている。16jは16eを見直すもので、モバイル WiMAX機器の低コスト化や接続性を高めることを目標に2007年第4四半期の規格化を目指している。

 また、16mは2007年1月が規格化が始まったばかりで、「第2世代モバイルWiMAX」とも呼べる次世代規格に位置付けられるものだ。16e は最大で時速120kmの移動環境に対応するが、16mでは時速350km以上の移動環境に対応することが目標になる。16eは在来線の特急列車までしか利用できないが、16mなら新幹線でもスムーズに利用できるといったイメージだろう。

DSCF0357.jpg 異なる技術発展を遂げてきた携帯電話と無線アクセスサービスが第4世代で融合するかもれない

 一方、携帯電話は「3.9世代」と呼ばれる数Gbpsクラスの通信速度を目指す次世代規格で、モバイルWiMAXと同様のMIMOやOFDMAの採用が検討されている。モバイルWiMAXと技術ベースが統一されることで、「第4世代」携帯電話ではモバイルWiMAXとの融合が理論的には可能になる。

 庄納氏は、「携帯電話とWiMAXは別々に進化を遂げてきたが、今後も別々に進んでいくというのは大きな疑問だ。ユーザーにとっては両者の融合がメリットになる。携帯電話とWiMAXの融合について、業界の議論を期待したい」という。

日本のWiMAXとインテルの展開

 日本では、総務省が2.5GHz帯の電波をモバイルWiMAXに割り当てるを見られており、通信会社を中心に多くの企業が商用化を検討している。しかし、2.5GHz帯の前後の帯域は衛星通信の「N-Star」とモバイル放送の「MBSAT」が割り当てられており、ガードバンドの運用についての議論が今なお続いているという。

 総務省は、7月頃をめどにWiMAXに割り当てる周波数帯域や事業免許方針を正式に発表すると見られている。このスケジュール通りであれば、10月にも事業者認定が行われ、2008年後半に商用サービスが始まる。

DSCF0368.jpg インテルが計画するモバイルWiMAX製品のロードマップ

 今後、インテルはモバイルWiMAXに対応したチップセットやWiFiとモバイルWiMAXに両対応したモジュールを2008年に投入するという。これにより、ノートPCやモバイルPC、ポータブル音楽プレーヤーなどのデバイスで、モバイルWiMAXを利用できるようになる。

 また2008年以降に、次世代モバイルWiMAXやWiFi、携帯電話ネットワークなどの多彩なワイヤレス通信サービスに対応したチップセットの開発を目指すという。

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