天まで届け! Nokiaへの愛
http://journal.mycom.co.jp/series/nokia/004/index.html
(4) 愛あればこその苦言&提言 -- Nokiaよ、ココを何とかしてくれ!!
2007/04/25
山根康宏
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* 目次
筆者が愛して止まないNokia。だが、Nokiaに限らず、すべてが完璧無比というメーカーはもちろんない。今のNokiaには大満足であるが、好きだからこそ、あえて言わせていただきたいこともいくつかあるのだ。
機種数が多いのはうれしいが…
毎月のように投入される新機種は、Nokia好きならずとも通信キャリアや家電店なども歓迎しているはずだ。ローエンドからハイエンドまで絶え間なく市場投入されるNokiaの新製品はショップの店頭を賑やかなものにしてくれるし、消費者にとっても「Nokiaは次はどんな機種を出してくるのだろう」という期待感を持たせてくれる。
Nokia 6270(左)、6280(中)、6288(右)。6270のW-CDMA版が6280、6288のA2DP(ステレオBluetooth)対応版が 6288。販売時期がだぶって登場したこともあり、前の機種を買った人はスタイルが類似しているだけに「もっと早くに出てくれれば」と思ってしまうかもしれない
しかしときどき、類似した製品が続けて市場投入されることがある。せっかく購入した新機種が、半年もしないうちに機能の向上した似たような製品に置き換わってしまうこともあるのだ。最近は海外でも携帯キャリアと固定契約を結ぶことで端末を安価に購入する利用者が増えているが、この方式で端末を買うと次の端末の買い替えまでは12~24カ月待たねばならない。長期契約を結んですぐに自分の買った端末と類似した新機種が登場し、しかも機能が向上していたら、ちょっと悲しくなってしまうのではないだろうか。ならば最初から新しい機種を出してくれればいいのに…なんて思う人も中には出てくるかもしれない。もちろんそれぞれの端末はターゲット層や設計思想が異なっているのだろうが、ちょっとした改良であれば、ぜひとも前倒しして早めにその機能を搭載してほしいものである。
なお端末の販売スケジュールはNokiaからの出荷時期とは別に、各国の販売ディーラーに大きく委ねれらているようである。機種が多すぎてディーラーも販売戦略を立てにくくなり、都合上類似した製品が連続して市場投入されてしまうこともあるのだろう。このあたりは「売る機種がない」メーカーに比べればはるかにいいことではあるのだが。
日本でももっとNokia端末を出してほしい
ドコモとソフトバンクがW-CDMA方式を採用したことにより、海外と日本との通信方式の壁が取り払われ、今では海外から日本へ渡航する多くの外国人が自国で使っているW-CDMA端末をそのまま日本でローミング利用できるようになっている。筆者も日本渡航時は普段香港で使っているNokiaのW- CDMA端末を持ち込み、香港の電話番号のまま便利に利用している。
NokiaのW-CDMA端末は現行だけでも約10機種が海外で販売されている。しかしこれらのうち、日本ではソフトバンクから1機種、ノキア・ジャパンから1機種が発売されているだけだ。マルチメディアコンピュータ"Nseries"のハイエンド機種や、手ごろに買えるファッション端末など、魅力的な日本でも使える端末が多数存在しているのに、残念ながら日本では販売されてはいない。もちろん日本は各キャリアが独自のサービスを展開しており、それらを完全に利用できない端末は販売できないという事情もある。またNokiaのブランドが完全に確立していない現状では、利益を上げるだけの販売数を確保できないという事実もあるだろう。
しかしすでにノキア・ジャパンは英語版のGSM端末を海外専用携帯として販売している。ならば英語版W-CDMA端末をそのまま販売してもいいのではないだろうか? もちろんW-CDMA機となると日本国内でも利用できてしまい、サポートが必要となってしまうため「日本国内利用はノーサポートとし、海外で高速パケット通信のできる端末」として販売する道もあると思える。
もちろんそれをやるにはノキア・ジャパンの営業やサポートチームの方々には今以上の苦労が発生することは十分承知している。しかし筆者が日本に持ち込んだNokiaのW-CDMA端末を見た人から「こんなにステキな端末があるのに、どうして日本で売らないのでしょうね?」と言われるたびに、筆者としてはもどかしさを感じてしまうのだ。香港で発売されるやいなや即完売となり、今でも入荷待ちの続いているNokia Eseries E65などは「オトナケータイ」として日本でも十分通用すると思える。通信キャリアの機能がフルに利用できないならば、「日本の携帯とNokiaの携帯」と2台持つスタイルがあってもいいのではないだろうか。
ちなみに香港では、Nokia香港が英語版のまま発売した端末にサードパーティ製の中国語入力ソフトをプリインストールしたこともあった。日本でも簡易的な日本語入力ソフトをどこかが開発し、それをノキア・ジャパンが添付して「ノーサポート、試供品」として利用してもらう、なんて時代がやってきたらうれしいのだが…。
日本でぜひとも発売してほしいNokiaのW-CDMA機のひとつがNokia E65(左)だ。茶系統の落ち着いた色合いに外装は革風の表面処理が美しい。また以前紹介したファッション端末L'amourコレクションにもW- CDMAに対応したNokia 7390(右)がある。こちらは女性にぜひ使ってほしい
こちらはHSDPA対応端末。メディアプレーヤーとしての利用に最適なNokia N95(上)。先日、日本の某所でもテスト機として日本語化されたものが展示されていたとか。またNokia E90 Communicator(下)はビジネススマートフォンとして日本でも十分活用できるだろう
なかなか難しいだろうが、日本でのラインナップ増加はぜひいつか実現してもらいたいものだ。
さて最終回となる次回は、今後のNokiaの展望などを含めて総括したいと思う。
諸君、私はNokia 3210が好きだ
筆者が最初に使い始めた海外端末はEricssonのものであったが、半年ほどで破損させてしまい買い換えることになった。当時(1999年)は Nokia、Motorola、Ericssonの3社が海外シェアを15%程度と仲良く3分していた時代であり、またNEC、Sony、 Panasonicなど日本メーカーも海外ではまだまだ強かった時代でもある。今より種類は少ないものの携帯ショップのショーウィンドウには様々な端末が並んでおり、どれを買おうか悩む中で筆者の目に留まったのは発売されて間もない新製品、Nokia 3210だった。
デザインが好きだ
Nokia 3210はNokia伝統のストレート形状ながらもアンテナが本体に内蔵されており、すっきりしたデザインが特徴だった。またボディーカラーも赤や緑、黄色などカラフルであり、当時黒やシルバーが主流だった携帯電話の中では一際目立つものだった。Ericssonも同様にカラフルな端末を出していたものの Nokiaが優れていたのはXpress-on Coverの採用で、ボディーがワンタッチで着せ替え可能だったのだ。このため迷うことなくこのNokia 3210を購入したが、これが筆者とNokiaの初の出会いであった。
直感的な階層式メニューが好きだ、Xpress-on Coverが好きだ
初めて使ったNokia端末だが、直感的に操作できる階層式メニューは英語のマニュアルに難儀した筆者にとってはありがたいものであった。基本操作だけ覚えれば他の操作も全て同等に行えるのだ。またXpress-on Coverは街中でちょっと気に入ったものを見つければその場で気軽に交換ができる楽しみがあった。使いやすく楽しい、このようなメーカーは他にはないと思えたもので、次に買い換えるときもNokiaにしようと思うようになっていたのである。
アンテナレス端末として登場したNokia 3210
着せ替えが自在なのもNokiaの面白さ(写真はNokia 3310)
諸君、私はNokia 8210が大好きだ
その次に買い換えたNokia 8210は手のひらに乗る小型サイズでアンテナレス、ディスプレイは5行で、赤外線を内蔵しデータ通信対応など当時としては最先端の端末と言える1台だった。驚いたのはNokia 3210より機能が大幅に増えたにもかかわらず、同様の階層式メニューのためマニュアルを読むことなく全ての操作を覚えることができたことだ。Nokia 8210は使い勝手のよさから海外でも大ベストセラーとなるのだが、筆者もこれを使い始めてから完全にNokiaの虜になってしまったのである。
Nokiaの精錬された新機種が絶妙なタイミングで出ると心が踊る
その後はNokiaのシェアが徐々に上がり、他社を大きく引き離すことになる。香港の携帯ショップでもNokia端末の割合が少しずつ増えていった。Nokia 8210のボディーを金属としたプレミアムモデル「Nokia 8850」が発売されたときには「借金してでも欲しい」と思わせたものだ。また8210の後継機としてデザインが精錬されたNokia 8250や8310など次々と「今の端末を買い換えたい」と思わせる端末がリリースされていった。Nokiaは新機種投入のタイミングが絶妙であり、「次はどんな端末が出てくるのだろう」と常に期待を持たせてくれたのだ。ハイエンドのCommunicatorシリーズやスマートフォンとして初登場した Nokia 7650などは、香港では新聞や雑誌に大きく取り上げられ芸能人がこぞって使うなどいずれも超話題の商品となり、筆者も興奮しながらそれらの機種を買い求めたのであった。
手のひらサイズのNokia 8210。当時としては超小型サイズである
8210から派生したプレミアムモデルの8850、8855のカタログは高級な雰囲気
8210の後継となる8250(左)や8310(中)。このスタイルはその後Nokiaの主流となり、カラー液晶やカメラ搭載端末も出てきた(6610i、右)
Nokiaの顔でもあるCommunicator初のカラーモデル、Nokia 9210やS60スマートフォン初代のNokia 7650は香港でも大きな話題となった
開発コンセプトで、デザインで、ポリシーが見えてくる様は感動する
こうしてNokia端末を使い続け、買い換えていくうちに筆者にはNokiaの製品開発コンセプトがなんとなく感じられるようになっていたのだ。新しい機種が発表されデザインが大幅に一新されても、ボタンの配置やカラーリングなどは使いやすさが工夫されていたり、デザイナーの思想などがうっすらと伝わってくるように感じられた。自動車など歴史の長いメーカーの製品同様に、製品ポリシーが見えてくるとますますそのメーカーの製品を見ることが面白くなるわけだ。
Nokia専門販売店の迅速さは胸がすくような気持ちだ
またNokiaの専門販売店である「Nokia Store」や修理センターである「Nokia Care」のスタッフの接客態度や知識の豊富さにも感銘を受けることが多かった。Nokiaは香港では現在「1時間修理」を基本としているが、これは他のメーカーは追従できていない。新製品をきっちりした応対で販売し、故障しても迅速な対応をしてくれる。こんなところからもNokiaをさらに好きになるようになっていったのだ。
この地上に存在するありとあらゆるNokiaが大好きだ
一企業の香港駐在員であった筆者だが、Nokiaに興味を持ち好きになればなるほどNokiaを見ることが面白くなっていった。展示会に行きたい、ショップに朝から駆けつけたい等、仕事をしている時間すらもったいなくなるようになるまで興味を持ってしまい、気がつけば退職し現職(携帯研究家及びライター)に転じることになったのである。日本ではほんの数機種しか発売されていないNokiaだが、海外では年間20機種以上もの新製品を発売している。筆者は今でも出てくる製品それぞれに製品ポリシーを感じ、感銘を受け続けている。次回はこのNokiaの魅力をさらに詳しくお伝えする。
世界の販売シェア30%台とトップの座をキープし続けているNokia。これだけNokiaの端末が売れているのは同社の製品に魅力があるからにほかならない。ではこの魅力はいったいどこにあるのだろう?
魅力その1 - とにかく多いNokiaの端末バリエーション
携帯電話普及期に入った今の時代、人によって端末に求めるものは千差万別であり、価格重視、使い勝手重視、機能重視、デザイン重視などなど利用者のニーズは多様化している。「機能がぎっしり詰まっていればなんでもいい」とはならないわけだ。このため各携帯電話メーカーはさまざまな端末をリリースしているが、Nokiaの製品バリエーションは他社より圧倒的に多い。これはNokiaが携帯電話の利用者層を11のセグメントに分けているからだ。すなわちすべての携帯電話利用者のニーズに応えるには、最低でも11種類のバリエーションが必要と同社は考えているのだ。
つまり、Nokiaは多数の製品を「数打ちゃ当たる」式で売っているのではない。「すべての製品にきちんとしたターゲット層があるから」こそ、世界中のあらゆる層の利用者の多くがNokiaを選び、結果として世界各国で人気を得ているわけだ。ちなみにNokiaは常時20機種前後の機種を発売しているが、シェア2位以下のMotorolaやSamsungは多くても10機種前後。圧倒的な機種の数と端末バリエーションは他社の追従を許していない。
NokiaのWebサイトを見ると、現行販売モデルはGSM/W-CDMAだけで30機種以上。国により発売されていないモデルもあるが、実際にヨーロッパやアジアなどの携帯ショップの店頭を眺めてみれば、どの国でも最も数多く展示されている製品はNokiaのモデルだ。そしてNokia一社だけでこれだけのモデルを揃えていれば「Nokiaの端末の中だけで自分の好きなものを選ぶ」ことも可能になる。これがNokiaの最大の魅力と言えるだろう。
(左)香港のキャリアのWEBサイトに掲載されている取り扱い中のNokia端末。20機種がラインナップされているが、これらが同時期に発売されているのだ。またこれ以外にも実際は数機種が発売されている。機能、価格、形状など別にさまざまな端末が揃っている
(右) 家電店の店頭(香港)。左右も含めてこのスペース、すべてNokia端末だけで占められている
これほど多種多様な製品をリリースしているNokiaは、製品のカテゴリを1000番台の数字で8つに区分している。日本ではキャリアが7/8/9 シリーズのように機能別に製品の製品区分をしているが、Nokiaはターゲット別の区分となっている。そして同じカテゴリの中でも、ストレート形状や折り畳み形状、スマートフォンなど端末デザインや機能などの横の商品展開もされている。すなわち単純に数字が大きいから高機能なのではなく、ターゲット別に様々な種類の端末が用意されているのだ。
Nokiaの型番別カテゴリ
型番 ターゲット
1000 エントリー
2000 ボリューム
3000 カジュアル
5000 アクティブ/ミュージック
6000 スタンダード/ミッドレンジ
7000 ファッション
8000 プレミアム(高級)
9000 コミュニケーター
また2005年からはインターネット接続とマルチメディア機能を強化したNseries、機能とスタイルをエンタープライズ向けに特化した Eseriesが加わった。発売予定も含めNseriesは14機種、Eseriesは8機種がリリースされている。高機能端末がほとんどを占めており、この2つのシリーズだけで中手メーカー以上のラインナップを揃えているのは圧巻としかいえないだろう。
Nokia Nseries、Eseries
Nseries
70系 N70/N71(804NK)/N72/N73(705NK)/N75/N76/N77
80系 N80
90系 N90/N91/N92/N93/N93i/N95
Eseries
50系 E50
60系 E60/E61/E61i/E62/E65
70系 E70
90系 E90 Communicator
魅力その2 統一された操作性
これだけ多くの製品を出しながらも、ユーザーインタフェースは標準となる「Series40」とスマートフォンの「S60」という2つがほとんどを占めており、機種を乗り換えても違和感なくマニュアルいらずで操作できる。新しい機能を搭載した新機種が登場したとしても、操作方法は階層式メニューに新たな項目が増えるだけだ。ローエンドからハイエンドまで統一された操作性をもっているからこそ高機能機種にも乗り換えやすく、一度Nokiaを買うと「また次もNokiaにしよう」と思わせてくれるのだ。
魅力その3 - 商品価値を引き上げる細かい演出
日本で携帯電話を購入するとキャリアで統一された箱に入っていることが一般的だが、海外ではメーカーや端末ごとにパッケージングなどはさまざまである。Nokiaは販売地域ごとに製品のパッケージを変えており、箱を見るだけで欲しくなるような演出がされている。またプレミアムモデルは第1回の連載に写真を紹介したようにパッケージングからして高級で、箱を見ただけでも製品が欲しくなる、そんな魅力さえも持っているのだ。またNokiaはボディカラーやデザインを変更した限定モデルを出すことが多いが、それら限定モデルもパッケージングはかなり凝っている。
さらにNokiaといえば着せ替え可能なボディ「Xpress-on Cover」に対応した機種が多いが、ファッションモデル向けのボディは「Style Pack」という名称のパッケージに収められている。本体と同じデザインのパッケージにおそろいのデザインのストラップを付属するなど、Style Packを見ただけで「本体が欲しい!」と思わせてしまう魅力はさすがだ。
スティック形状がユニークなNokia 7380のパッケージは、なんと「缶」!
Nokia 7200Limited Edition。携帯電話ではなく化粧品のようなパッケージングだ
Nokia 7200Limited Editionの箱にかけられているリボンをよく見ると、ここにも「Limited Edition」と入っている。このような芸の細かさがNokiaの製品の魅力をさらに引き上げているのだ
ファッション端末向けの着せ替えパック「Style Pack」。左のNokia 7270はボディではなく布のカバーだ。携帯電話表面に布をかぶせて着せ替えするアイディアはおそらくこの端末だけだろう
このように多くの製品をリリースするだけではなく、ターゲットを明確にした商品カテゴリ区分、統一されたUI、そして製品そのもの以外にまでも細かい気配りを効かせた商品展開などがNokiaの魅力を引き上げているわけだ。
さてこのように魅力ある製品展開をしているNokiaだが、Nokiaを大好きな筆者だからこそ、Nokiaへ言いたいこともいくつかある。次回はそのあたりをお伝えしたいと思う。
筆者が愛して止まないNokia。だが、Nokiaに限らず、すべてが完璧無比というメーカーはもちろんない。今のNokiaには大満足であるが、好きだからこそ、あえて言わせていただきたいこともいくつかあるのだ。
機種数が多いのはうれしいが…
毎月のように投入される新機種は、Nokia好きならずとも通信キャリアや家電店なども歓迎しているはずだ。ローエンドからハイエンドまで絶え間なく市場投入されるNokiaの新製品はショップの店頭を賑やかなものにしてくれるし、消費者にとっても「Nokiaは次はどんな機種を出してくるのだろう」という期待感を持たせてくれる。
Nokia 6270(左)、6280(中)、6288(右)。6270のW-CDMA版が6280、6288のA2DP(ステレオBluetooth)対応版が 6288。販売時期がだぶって登場したこともあり、前の機種を買った人はスタイルが類似しているだけに「もっと早くに出てくれれば」と思ってしまうかもしれない
しかしときどき、類似した製品が続けて市場投入されることがある。せっかく購入した新機種が、半年もしないうちに機能の向上した似たような製品に置き換わってしまうこともあるのだ。最近は海外でも携帯キャリアと固定契約を結ぶことで端末を安価に購入する利用者が増えているが、この方式で端末を買うと次の端末の買い替えまでは12~24カ月待たねばならない。長期契約を結んですぐに自分の買った端末と類似した新機種が登場し、しかも機能が向上していたら、ちょっと悲しくなってしまうのではないだろうか。ならば最初から新しい機種を出してくれればいいのに…なんて思う人も中には出てくるかもしれない。もちろんそれぞれの端末はターゲット層や設計思想が異なっているのだろうが、ちょっとした改良であれば、ぜひとも前倒しして早めにその機能を搭載してほしいものである。
なお端末の販売スケジュールはNokiaからの出荷時期とは別に、各国の販売ディーラーに大きく委ねれらているようである。機種が多すぎてディーラーも販売戦略を立てにくくなり、都合上類似した製品が連続して市場投入されてしまうこともあるのだろう。このあたりは「売る機種がない」メーカーに比べればはるかにいいことではあるのだが。
日本でももっとNokia端末を出してほしい
ドコモとソフトバンクがW-CDMA方式を採用したことにより、海外と日本との通信方式の壁が取り払われ、今では海外から日本へ渡航する多くの外国人が自国で使っているW-CDMA端末をそのまま日本でローミング利用できるようになっている。筆者も日本渡航時は普段香港で使っているNokiaのW- CDMA端末を持ち込み、香港の電話番号のまま便利に利用している。
NokiaのW-CDMA端末は現行だけでも約10機種が海外で販売されている。しかしこれらのうち、日本ではソフトバンクから1機種、ノキア・ジャパンから1機種が発売されているだけだ。マルチメディアコンピュータ"Nseries"のハイエンド機種や、手ごろに買えるファッション端末など、魅力的な日本でも使える端末が多数存在しているのに、残念ながら日本では販売されてはいない。もちろん日本は各キャリアが独自のサービスを展開しており、それらを完全に利用できない端末は販売できないという事情もある。またNokiaのブランドが完全に確立していない現状では、利益を上げるだけの販売数を確保できないという事実もあるだろう。
しかしすでにノキア・ジャパンは英語版のGSM端末を海外専用携帯として販売している。ならば英語版W-CDMA端末をそのまま販売してもいいのではないだろうか? もちろんW-CDMA機となると日本国内でも利用できてしまい、サポートが必要となってしまうため「日本国内利用はノーサポートとし、海外で高速パケット通信のできる端末」として販売する道もあると思える。
もちろんそれをやるにはノキア・ジャパンの営業やサポートチームの方々には今以上の苦労が発生することは十分承知している。しかし筆者が日本に持ち込んだNokiaのW-CDMA端末を見た人から「こんなにステキな端末があるのに、どうして日本で売らないのでしょうね?」と言われるたびに、筆者としてはもどかしさを感じてしまうのだ。香港で発売されるやいなや即完売となり、今でも入荷待ちの続いているNokia Eseries E65などは「オトナケータイ」として日本でも十分通用すると思える。通信キャリアの機能がフルに利用できないならば、「日本の携帯とNokiaの携帯」と2台持つスタイルがあってもいいのではないだろうか。
ちなみに香港では、Nokia香港が英語版のまま発売した端末にサードパーティ製の中国語入力ソフトをプリインストールしたこともあった。日本でも簡易的な日本語入力ソフトをどこかが開発し、それをノキア・ジャパンが添付して「ノーサポート、試供品」として利用してもらう、なんて時代がやってきたらうれしいのだが…。
日本でぜひとも発売してほしいNokiaのW-CDMA機のひとつがNokia E65(左)だ。茶系統の落ち着いた色合いに外装は革風の表面処理が美しい。また以前紹介したファッション端末L'amourコレクションにもW- CDMAに対応したNokia 7390(右)がある。こちらは女性にぜひ使ってほしい
こちらはHSDPA対応端末。メディアプレーヤーとしての利用に最適なNokia N95(上)。先日、日本の某所でもテスト機として日本語化されたものが展示されていたとか。またNokia E90 Communicator(下)はビジネススマートフォンとして日本でも十分活用できるだろう
なかなか難しいだろうが、日本でのラインナップ増加はぜひいつか実現してもらいたいものだ。
さて最終回となる次回は、今後のNokiaの展望などを含めて総括したいと思う。
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目次
【連載】天まで届け! Nokiaへの愛
* (1) 我が家の"お宝Nokia"をちょっとだけお見せします!
* (2) 諸君、私はNokiaが好きだ
* (3) Nokiaの魅力 - マニア心を刺激してやまない、ポリシーある商品展開
* (4) 愛あればこその苦言&提言 -- Nokiaよ、ココを何とかしてくれ!!
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ASキット「LAN
http://response.jp/issue/2007/0425/article94043_1.html
【神尾寿のアンプラグド】日本でも浸透が始まったスマートフォン
2007年4月25日
欧米市場を中心に勢力を伸ばすスマートフォンが、日本でも次第に“無視できない存在”になり始めている。
スマートフォンとは、英Symbian(シンビアン)社のSymbian OSや米Microsoft社のWindows Mobileなどの汎用OSを搭載し、汎用性と拡張性を持った高機能型携帯電話の総称だ。当初はPDAの進化系と位置づけられていたが、現在は小型でモバイルに特化した小型コンピューターと定義されている。その点では“ダウンサイジングされたPC”といってもよい。
欧米ではホワイトカラーを中心に普及率が年々高まっており、今年に入ってからは米Appleがコンシューマー向けのスマートフォンである『iPhone』を発表。世界中の注目を集めた。欧米や韓国の携帯電話メーカー、Googleなどネット企業もスマートフォン分野を重視しており、この分野は黎明期のPC 市場のような期待感に包まれている。
しかし、その一方で、日本はこのスマートフォンの波に乗り遅れている。日本の携帯電話産業ではこれまで、携帯電話キャリアが端末の仕様や利用する技術、提供されるサービス、通信料金までを戦略的に設定する「垂直統合型」のビジネスが取られてきた。
キャリアの独自性が強く、その“囲い込まれた”状態を前提に、使いやすい端末やサービス、ユーザーサポート体制を構築。その上で、サービスやコンテンツの高度化を世界に先駆けて実現してきた背景がある。
これはPCと同じく水平分業の発想で発展していくスマートフォンと考え方が異なるものだ。そのため日本の携帯電話キャリアはスマートフォンの導入と普及に消極的であり、結果として、日本のスマートフォン市場が一般化しているとは言い難い状況だ。
◆ウィルコム、ソフトバンク、イー・モバイルが動き出す
だが、昨年後半から、日本のスマートフォンにもゆっくりとではあるが、着実な動きが見られるようになった。ドコモやauなど大手既存キャリアがスマートフォン分野に消極的な一方で、ウィルコムやソフトバンクモバイル、新規参入キャリアのイー・モバイルなど、業界3位以下のキャリアがスマートフォンを取り入れ始めたのだ。
この分野で最初に動いたのは、PHSキャリアのウィルコムだ。同社はWindows Mobile 5.0搭載のシャープ製スマートフォン『W-ZERO3』、『W-ZERO3 es』を市場に投入。同シリーズは販売開始初期に品切れが続出するなど、一定の市場ニーズを獲得した。
今のところW-ZERO3を購入しているのは「8割がリテラシーの高い個人ユーザー」(ウィルコム)という状況であるが、ウィルコムではWindows Mobile搭載の強みをいかして、法人のソリューション市場への展開も狙っている。
また今年4月に開催された「WILLCOM FORUM & EXPO 2007」では、最新のWindows Mobile 6.0搭載のシャープ製スマートフォンが近日中に投入されることがアナウンスされた。
ソフトバンクモバイルは現在、ノキアやHTCのスマートフォンを導入しており、一般的な日本メーカー製の携帯電話とは別にラインアップを構築している。今年に入ってからは法人市場向けスマートフォンの導入にも積極的になっており、ノキアのエンタープライズ市場向けスマートフォン『Nokia E61』を、『X01NK/Nokia E61』として販売する予定だ。
またソフトバンクモバイルは旧ボーダフォン時代に国際標準規格に近い3Gのサービス仕様を導入したため、ノキアが独自に日本市場に投入しているキャリア非依存型のスタンダードモデル、Nokia E61でもネットワーク設定が自動で行われる。あまり知られていないが、スマートフォンには強いキャリアだ。
イー・モバイルは今年3月31日にサービスを開始したばかりの新規参入キャリアである。同社は最初の端末として、シャープ製のWindows Mobile 5.0端末『EM・ONE』を投入。同社は最大3.6Mbpsという高速データ通信と、スマートフォンでもすべての通信がパケット料金が定額になるコストパフォーマンスの高さをセールスポイントにしているため、今後もスマートフォンを積極的に導入する可能性が高い。
日本のスマートフォンはまだ「黎明期」といった段階であるが、それでも1年前に比べれば端末も増えて、市場が動き出す傾向が見え始めた。これまでこの分野に消極的だったドコモも、法人市場向けにHTCのスマートフォンを導入し、今後もスマートフォンの端末や新料金プランを増やす模様だ。
スマートフォンはPCライクな使い勝手なため、今までの「使いやすく・高機能」な日本製ケータイを使っていた一般ユーザーがすぐに手を出すとは考えにくい。しかし、今後、法人やビジネスコンシューマーを中心に成長していく可能性は考えられるだろう。
ウィルコムのシャープ製端末W-ZERO3(WS003SH)
ウィルコムのシャープ製端末W-ZERO3(WS003SH)
ウィルコムのシャープ製端末W-ZERO3[es](WS007SH)
ウィルコムのシャープ製端末W-ZERO3[es](WS007SH)
Nokia E61
Nokia E61
イー・モバイルのシャープ製端末EM・ONE(S01SH)
イー・モバイルのシャープ製端末EM・ONE(S01SH)
神尾寿(かみお・ひさし)
IT専門誌契約ライター、大手携帯電話会社へのデータ通信ビジネスのコンサルタントなどを経て、1999年にジャーナリストとして独立。著書は「自動車 ITS革命」など。専門は通信とITSビジネス。当コラムでは、モバイルITのビジネスやカルチャーがクルマに与える影響について考える。
神尾寿のアンプラグドバックナンバー
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《神尾寿》
ギガリスト
神尾寿のアンプラグド
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