13年ぶりの携帯新規参入、イー・モバイルがサービス開始
3月31日、イー・アクセスの子会社のイー・モバイルがデータ通信サービスを開始した。
http://www.jmrlsi.co.jp/menu/wbg/2007/wbg0405.html
携帯通信事業では13年ぶりの新規参入となる。当初の展開地域は東京23区や京都、大阪、名古屋の各市内だが、今後は全国展開に向け地域を拡大するとともに、2008年3月をめどに、音声通信を開始する予定で、その滑り出しが注目される。
イー・モバイルはNTTドコモの「FOMA」やソフトバンクモバイルの「SoftBank 3G」で採用されている「W-CDMA」の拡張規格である「HSDPA」方式を採用し、通信速度は現在最速のFOMAと同じ最大3.6Mbpsで、月額基本料金は5,980円で使い放題になる。サービスインに合わせて、キーボードや大型液晶画面が付いた専用端末「EM・ONE」と、パソコンに接続して使うデータ通信カード型端末の2機種を発売した。
携帯通信端末の定額制では、PHS専業のウィルコムが先行しているが、同社の通信速度は最大408Kbps(4月5日から最大512Kbps)と比較にならず、ドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルは従量課金制度を採用しているため、「高速・定額」サービスで、既存事業者との優位性を打ち出している。当面は静観という姿勢の既存事業者だが、消費者の反響によっては今後、高速・定額サービスでの競争が繰り広げられる可能性は高い。
こうした中、注目された滑り出しは、「ヨドバシカメラマルチメディアサービスAkiba」での記念式典に出席した千本倖生会長兼CEOによると、開始前日の30日までに、同社の予想1万件を大きく超える1万 7,000件に達したことが明らかになった。特に「EM・ONE」の予約が半分以上を占めており、まだ世界的には遅れているとされる、所謂「スマートフォン」の市場の拡大を狙う。
一方で、イー・モバイルの成功には多くの壁が存在する。まず懸念されるのはエリア拡大である。都市部を中心に拡大策を打ち出している同社だが、計画通りにのシナリオでも、相当な投資が必要になる。また、投資についていえば、初年度30万会員という目標を掲げる同社だが、それだけのトラフィック負荷に耐えるネットワーク構築には大きな費用負担が必要となる。いずれにせよ、「日本を携帯ブロードバンド通信で世界一にする」(千本氏)を掲げたイー・モバイルの新規参入が業界に一石を投じることは間違いない。
(参考:イーモバイルのニュースリリース 3月31日などより)
【参照コンテンツ】
戦略100・企業活動分析事例 イー・アクセス
MNEXT 産業融合による情報家電産業の時代 (2005年4月)
週刊ビジネスガイド イー・モバイルが定額制データ通信サービス開始(2007年2月)
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